JISQ9100:2016規格移行対応
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JISQ9100:2016

国際航空宇宙品質グループ(IAQG)が作成した9100規格を基に、技術的内容及び構成を変更することなく作成した日本工業規格です。

JIS Q 9100:2016改正について

IAQGは、2000年にISO9001要求事項に、航空、宇宙及び防衛分野の特有な要求事項を加えて、IAQG9100:2000“航空、宇宙及び防衛分野の組織に対する品質マネジメントシステム要求事項”として作成しました。
それを米国ではAS 9100:2000、EUではEN 9100:2000、また日本ではJIS Q 9100:2000等のセクター規格として制定してきました。
これらの規格は、ISO 9001の2008年改正に伴い、AS/EN/JIS Q 9100:2009と改正され、さらにISO9001の2015年版改正に伴い、、AS/EN/JIS Q 9100:2016と改正されました。

9100:2000から9100:2009への改正と今回の改正が異なるのは、前回のISO 9001改正が小改正であったのに対して、ISO 9001:2015では大幅な改正がなされ、それが9100:2016への改正にも大きく影響したことです。

JIS Q 9100:2016の改正概要を解説するのに、ISO 9001:2015の改正点を避けて通ることはできません。
その要点は、次の9項目です。

(1)附属書SL*の適用規格の構造
(2)組織の状況の理解とQMSの適用範囲の決定
(3)プロセスアプローチの適用向上、PDCAサイクルとリスクに基づく考え方
(4)リーダーシップの強化
(5)組織の意図した結果、顧客満足の向上、パフォーマンスの強調
(6)明示的な文書化要求の削減
(7)規範的な要求事項の削減
(8)サービス業への配慮
(9)QMS固有の要求事項の強化、追加、拡大
 *付属書SL:Structure Levelの略

ここで、最初に上記“(9)QMS固有の要求事項の強化、追加、拡大について”解説します。

(9)は、“セクター規格のQMS固有の要求事項の強化、追加、拡大”を意味し、強化、追加、拡大された事項は、下記の点です。


1.ISO 9001:2015要求事項で削除された項目で、9100:2016では削除されない項目 2.9100:2016要求事項として新規に要求された事項 3.9100:2000から復活した事項 4.その他 9100:2009をベースとし、一部追加した要求事項等
なお、本内容の相当部分は、2016年6月13日メルマガで掲載しております。

2016年版で改定され、追加要求事項の一つに「模倣品の防止」があります。
追加要求事項の背景には、二面があります。一つは、技術革新の進歩による電子部品性能の急速な進歩があります。

航空機、宇宙機器、防衛装備品は、相当な長い年月を経て開発されます。
そして、それらが実用段階に入ってから30〜40年間運用されるのは、ごく当たり前のことです。
しかし、その運用後20年も過ぎれば、製造設備も古くなり、また軽量で高性能な電子部品が開発されるに及んで、旧来の電子部品は、採用されなくなります。

30〜40年間経過した装備品の補用品に対応させようとしても、新規製造している企業はない状態となります。すなわち旧来設計の電子部品は、旧式化・枯渇品となります。そこで出てくるのが、 代用品であり、改造品です。設計・開発会社が、旧式化・枯渇品と理解して、顧客と調整して新たに代用品、改造品を設計・製造すればよいのですが、なかなかそこまでいかないのも事実です。

もう一つは、正規製造業者又は承認された製造業者の製造した純正規品でない偽物、複製品の類の例です。

 模倣品の区分のもう一つは、正規品製造業者又は承認された製造業者の製造した純正品でない偽物、複製品の類の例です。

 これら純正品でない偽物、複製品が出回ることは、航空宇宙産業の材料、部品等は一般材料、部品に比べて高価です。その理由は、それら材料、部品等は使用環境が過酷でありながら、軽量化のという要求事項(設計上の安全率・マージンが、地上の製品に比べて非常に小さい)であることです。環境試験、耐久試験、それら試験結果のデータは“ばらつき”が小さく、試験要求を満たすことを証明しなければなりません。その試験を行う機関も指定されています。これらの試験等に合格した材料、部品等がQPL, QML, PMA等の認定材料、部品なのです。

 高価な材料、部品等を購入するのではなく、廉価な材料、部品等を求めるメーカーは、これらの環境試験等を受けず、認定を受けていないメーカーから購入することにより低コスト化を図っているのです。製品安全が担保されていない偽物、複製品が出回るゆえんです。



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 以下は、JIS Q 9100:2009改正版が発行されたときに、記載されたものです。基本的には2016年版にも共通するところが多いです。最新のJIS Q 9100に関する情報は、この部分より上段になります。ご参考までに。

適用対象

JISQ9001(ISO9001)は製造・サービス全般の分野の組織を対象にしていますが、JISQ9100は航空、宇宙及び防衛分野の組織に適用することを対象にしています。

JIS Q 9001とJIS Q 9100の違い

JISQ9100は、JISQ9001の要求事項に航空宇宙分野の要求事項を追加した規格です。
JISQ9001とJISQ9100の関連及び主な追加要求事項の事例を下記に示します。

   JISQ9100:2009

JISQ9100とは(詳細)

JISQ9100:2009のタイトルは「品質マネジメントシステム−航空、宇宙及び防衛分野の組織に対する要求事項」です。

JISQ9001が、ISO9001を日本工業規格として制定化したものに対し、JISQ9100は、IAQG(International
Aerospace Quality Group国際航空宇宙品質グループ)が制定した9100規格「Quality management
system-Requirements for aviation, space and defense organization」を日本航空宇宙工業会が中心となり、日本工業規格として制定化したものです。米国では、AS9100として、欧州ではEN9100として制定されています。

要求事項は、ISO9001をベースとして、航空、宇宙及び防衛産業分野に特有な管理要求事項を追加した規格です。JISQ9100認証機関が、組織の品質マネジメントシステムの構築、運用状況の審査を行い、JISQ9100の要求事項に適合していると判定した場合、組織を認証する制度もISO9001認証制度とほぼ同様です。

制定の背景と改定の経緯

世界の航空宇宙産業における品質保証要求のベースは、米国国防総省の米軍仕様書MIL-Q-9858Aをモデルとして制定され、要求されてきました。

しかし、米国元大統領レーガン政権下で、MIL-Specの大幅な削減がなされ、ISO9001の認証制度の発効に合わせて、MIL-Q-9858AとISO9001のSpec併用期間はあったものの1996年MIL-Q-9858A は廃止されました。

航空宇宙製品が、ISO9001による品質システムにて管理・保証されることに懸念を抱いた航空機メーカー ボーイング、エアバス、航空エンジンメーカー GE、ロールスロイス等は、新たな規格の制定を検討しました。検討の結果、紆余曲折があるもののIAQGとして1999年に制定した規格がIAQS9100です。

このIAQS9100は、米国ではAS9100として、欧州ではprEN9100として制定されました。日本では、当初航空宇宙工業規格SJAC9100として制定されましたが、広く日本の産業界に普及させるためJISQ9100:2000としたのが2000年8月です。その後、ISO9001:2000版の改正に合わせて、JISQ9100:2004として改正され、またISO9001:2008版の改正に合わせて、JISQ9100:2009として改正、発行されました。これらの経緯については、JISQ9100:2009解説(日本規格協会 発行)を参照してください。

JIS Q 9100認証制度と当社の関わり

社団法人日本航空宇宙工業会は、組織のJISQ9100品質マネジメントシステムの要求事項に対する適合性を評価・認証制度を立ち上げるために、当社に支援要請が2000年にあり、業務委託契約に基づき審査員研修のプログラム、テキストの作成、研修の講師を担当しました。その際の研修テキストを参考として、解説書として発行したのが「JISQ9100航空宇宙品質マネジメントシステムの解説(2001年版対応)」です(現在は、「JISQ9100航空・宇宙・防衛 品質マネジメントシステムの解説(2009年版対応)」)。

その後、日本航空宇宙工業会からの「航空宇宙産業経験審査員養成コース」(5日間コース)の立ち上げ要請があり、研修を2度にわたり開催しました。その際のテキストを基本としてガイドブックとしたのが、「JISQ9100航空宇宙QMS実務ガイドブック」です。

JIS Q 9100の要求と理解

JISQ9100の要求は、顧客の品質マネジメントシステム要求事項から引用され、単独にJISQ9100を呼び出すことはありません。JISQ9100は、品質記録の保管期限、特殊工程の承認の対象範囲、不適合製品が発生した場合の具体的な処置様式等を定めておらず、現実には品質マネジメントシステムとして運用できない部分が多々あるからです。このことを十分に理解して、品質マネジメントシステムの構築、運用を図る必要があります。また、JISQ9100は、欧米の航空宇宙産業界の中で制定された規格であり、欧米の文化、慣習を理解して対応する必要があります。

最近のJISQ9100に関する動き

JISQ9100:2009の改正に伴い、認証機関が行う審査に対する要求事項も大幅に改定されました。その改正点は、次の3点です。

@ 顧客(満足)に焦点をあてた審査
 ・品質と納期のパフォーマンスを含む

A プロセスの有効性の審査
 ・プロセスの明確化とプロセスの管理指標の設定と実績評価

B 重点審査
 ・規格の逐条的審査からの脱却し、顧客、製品実現のプロセスに焦点

組織の品質マネジメントシステムの構築、運用はもちろん、組織の内部監査に対しても上記の改正点を反映した監査の実施が必要となってきました。



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