トピックス


2017.10.16ヒューマンエラー防止・セミナー:なぜなぜ分析(ご案内:第2回)

 不適合、クレーム等での問題解決に関して、「なぜなぜ分析」の企業様からのセミナー依頼が航空宇宙関係の企業様のみならず、他産業(電気、建設、鉄鋼企業)様からもあります。それは、「なぜなぜ分析」手法が、気軽に取り組めるからです。

 企業様で実施しているプログラムを紹介します。
基本は、企業様の不適合事例について、参加者の皆さんで@個人検討、Aグループワークによる取りまとめ、B発表と講師コメント の繰り返しです。参加者皆さんが主体となって学ぶ実践的なセミナーです。

1.事務局様 挨拶:開催の主旨・目的
2.「なぜなぜ分析」概要説明
3.ヒューマンエラー防止の概要説明(企業様の業務内容、要望等にあわせて実施)
4.根本原因の特定及び是正処置
上記の1.〜4. 1.5時間
5.「なぜなぜ分析」等の事例紹介
6.「なぜなぜ分析」企業様の「不適合・課題1ケース」について、個人検討
  ・その後、グループワークによる討議とまとめ 1時間50分
     休憩(お昼)
  ・グループ発表 講師コメント        1時間 (グループ数により変動)
7.「なぜなぜ分析」6.企業様の「不適合・課題2〜3ケース」について、繰り返し
  ・個人検討、グループワークによる検討とまとめ 2時間
  ・グループ発表 講師コメント         1時間

 実事例で、検討し、原因、対策の取りまとめをグループワークすることにより身に着けることを主体に行うセミナーです。



リスクマネジメントセミナー(半日コース/午前)
ヒューマンエラー防止セミナー(半日コース/午後)

日程 開催場所
12月4日(月) 神戸開催(神戸国際会館内会議室 (JR三ノ宮駅下車、徒歩3分))
12月11日(月) 東京開催(アットビジネスセンター池袋駅前別館 (池袋駅(東口)より直ぐ))

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2017.10.16大企業(2社)の不正に思う。

毎日のように紙面トップを占めている不正(検査記録の改ざん、無資格検査事案)について、JIS Q 9100:2016要求事項との関連で解説します。

(1)検査記録の改ざん
 アルミ、銅製品の性能データ(検査証明書)の改ざん事案は、航空機、自動車、鉄道、その他多くの産業の製品に使用され、採用した企業が自社製品の安全への影響調査に翻弄されています。 航空機業界では、MRJの三菱航空機からBoeing, GE等は、改ざんの影響調査を始めています。

 なぜこのような検査記録の改ざんが、長年続けられてきたかといえば、
“改ざん”を止めると“納期が守れない”→“売上・利益があがらない”だから“続ける”という“罠”にはまり、抜けだせないからです。

 さて、JIS Q 9100:2016には、“改ざん防止”について、直接的な表現では要求されていませんが、
箇条7.3「認識」h)“倫理的行動の重要性”が、まさにこの要求事項に該当します。この箇条7.3 f), g), h)は、日本企業が約10年前に航空機椅子不正事案に関連して、世界のエアラインに大きな損害を与えた事案の改善の一環として、航空日本航空宇宙工業会がIAQGに提案して追加された箇条です。その点からも、今回の事案は非常に残念なことです。


(2) 無資格検査員による最終完成検査
 N自動車メーカーが、「認定された完成検査員以外の者が、完成検査員の印鑑を用いて押印を行っていた」ことが、国土交通省の立ち入り検査(9/18)で発覚し、121万台のリコールに発展しました。

 これは、国土交通相がすべてを完成検査することは不可能なので、企業の検査員を認定検査員に指定し、検査を委譲しているのです。この制度は、民間航空機及び装備品にも同様の制度があり、事業場認定を受けている企業が当てはまります。これ以上は、ここでは採り上げません。

 航空機業界で組織が供給者に“組織が行う検査(発注した製品の受入検査)を委譲し、検査に合格した製品を供給者が、発注者の組織に代わって顧客に納入する場合”があります。その構図は次のとおりです。@組織が製品製造を供給者に発注→A供給者が製品製造・完成検査(同時に、組織は供給者の完成検査員を、組織の認定検査員に指定して、検査を委譲)するケースです。

 このことは、箇条8.4.2注記2・・・
“B外部提供者に検証活動を委譲する場合、組織は、委譲について適用範囲及び要求事項を定め、委譲事項の登録を
  維持しなければならない。”
“C組織は、外部提供者の委譲された検証活動を定期的に監視しなければならない。”と規定されました。

しかし、JIS Q 9100:2009年版での要求では、委譲された検査員によるBの検査が十分なされていないことが判明し、JIS Q 9100:2016で、Cの要求が追加されました。(2)の無資格検査員による最終完成検査の事案は、自社では無関係であると思わずに対処する必要があると思います。

 

参考1:検査記録の改ざんに関する中小企業の動き
  @10月7日(土)ある企業に認証取得支援(社員50人規模)に出かけた際のこと
    ・質問:箇条7.3「認識」h)“倫理的行動の重要性”を品質マニュアルにどのように記載すればよいですか。
    ・回答:コンプライアンス遵守(検査記録の改ざんの防止)と記載すればよいのです。
    この質疑応答は、(1)事案が、報道になる前のことです。

  A10月11日(水)ある鋳造メーカー(社員50人規模)支援に出かけた際のこと
    ・顧客から“K社製造の材料を購入しているか、調査し、回答してください”との電話が多数あり、調査・回答した。

  B10月12日(木)ある商社(事業部員6名)を当社社員が支援に出かけた際のこと
    ・K社の製品を取り扱っているので対応に追われています。

  材料の性能データ検査証明書の改ざんは、日本全体に影響を及ぼしていますね。

参考2:検査権限の委譲・・・SJAC9114A航空宇宙組織におけるダイレクトシップに関する手引き

参考3:無資格検査員による検査
 JIS Q 9100:2016 箇条8.5.2“識別及びトレーサビリティ”の要求事項  “合否表示媒体(例えば、スタンプ、電子署名、パスワード)を使用する場合、組織は、その表示媒体の管理を確立しなければならない。”

 Boeingのサプライヤの監査:「検査スタンプの保管・管理」について
・検査員が検査スタンプを施錠のかかる机(引出)に保管していなければ「不適合」である。
  性悪説に基づいた監査を行う(重要なことです)。

文責 門間
2017.10.06リスクマネジメント・セミナー(ご案内:第2回)工程FMEA

当社【連続コラム】リスマネジメント シリーズ第6回では、設計FMEAを解説していますので今回は工程FMEAについて紹介します。JISQ9100:2016箇条8.1.1運用リスクマネジメントと関連しています。

1.工程FMEAの内容・・・以下のとおりです。
(1) 設計FMEAを製造工程に適用したもの
(2) 設計の意図した機能・性能をもつ製品が量産で問題なくできるように、工程面から検討する手法
(3) 工程設計段階で予想される不適合とその防止策を検討
(4) 工程設計段階で不適合発生防止のために管理すべき特性の決定、あるいは管理の重点を検討

2.工程FMEAの実施手順・・・以下のとおりです。
(1) 工程の流れを確認する(QC工程表を活用する)
(2) 工程の明確化とブロック図を作成する
(3) 工程ごとの不適合モードを列挙する
(4) 重要な不適合モードを選定する
(5) 具体的な改善、対策を実施する

3.リスクアセスメント基準:発生頻度の例 ランクの高いのは悪い
  ・極めて高い・・・1回/(毎日〜1週間) 又は 不適合率 10%以上  ランク5
  ・高い・・・・・・1回/(1週間〜1か月) 又は 不適合率 1%〜10%  ランク4
  ・時として発生・・ 以下 省略

4.リスクアセスメント基準:影響度の例  会社及び製品により異なる。
  ・10%製品が廃却となる・・・・・・・ ランク5
  ・1%~10%未満が廃却となる・・・・・ ランク4 
  ・以下 省略

5.リスクアセスメント基準:受容リスク 例
  ・RPN(Risk Priority Number)=発生頻度ランク×影響度ランク=1~25
  ・受容リスク 例 :RPN=4以下 等

 いろいろと述べましたが、航空宇宙産業での製造ロットが少なく、製造工程数が少ない企業にとっては、簡便法があります。また、自動車産業では、より厳しい要求があります。

 これらの手法について、セミナーにて紹介します。

文責 門間

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2017.09.29ヒューマンエラー防止・セミナー(ご案内:第1回)

 本セミナーの目的は、製品の製造段階で起こるヒューマンエラーの削減、防止のため、品質保証活動に携わる管理者の方々を対象としたセミナーです。

 ISO 9001:2015及びJIS Q 9100:2016にて初めてヒューマン(人間)に起因する不適合の防止について要求されました。箇条8.5.1製造の管理g)“ヒューマンエラーを防止するための処置を実施する。”また、箇条10.2不適合及び是正処置10.2.1b)2)“人的要因(human factors)に関する原因を含む、その原因を明確にする。”の要求事項です。

 ヒューマンエラーあるいはhuman factorsというと“人間のミス”を指すものと思いがちですが、間違いではありませんが、正しいとも言えません。

 ヒューマン・ファクター:人間、組織、設備等で構成されるシステムが、安全かつ経済的に動作・運用できるために
               考慮しなければならない人間側の要因

 航空宇宙産業は、自動車、家電産業のような自動化による大量生産ではなく、少量生産のため自動化が進んでいないことは確かです。特に、航空機、宇宙機器等の組み立て作業に関しては、人間の手による作業が90%以上といっても過言でありません。

 発生した不適合(分析対象の識別)について、@不適合に至った経緯の整理と問題点の識別、A問題点に対する要因の抽出、B対策立案を行います。
上記@Aに関しては、VTA分析、いきさつダイヤグラム、なぜなぜ分析、PSF法、m-SHEL分析、4M-4E手法等があり、不適合の内容によって「適切な分析手法」があります。

本セミナーでは、不適合の事例について各種分析手法を紹介するもので、究極的には出張セミナー実施により、企業様固有の事例を用いてのセミナーを意図しています。

文責 門間

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2017.09.22リスクマネジメント・セミナー(ご案内:第1回)

 本セミナーの目的は、製造段階での製品不適合、製品を顧客に納入後のクレームを低減するために、プロジェクト初期段階(設計・開発段階及び工程設計段階)での品質保証活動を支援するため、これらの業務に携わる管理者の方々を対象としたセミナーです。

 ISO 9001:2015及びJIS Q 9100:2016要求事項は、品質保証活動を不適合発生後の是正処置活動から、予防活動へ展開することを求めた画期的な(あるいは漸く転換した)規格改正です。
したがいまして、このセミナーは、航空・宇宙・防衛産業の企業様のみを対象としたセミナーではありませんし、品質保証部門の方々だけではなく、設計、生産技術部門の管理者の方々をも対象としております。

 ISO 9001:2015要求事項では、序文箇条0.3.3“リスクに基づく考え方”から箇条4.4.1f)〜箇条10.2.1に至る多くの箇条で、“リスク及び機会の取組み”について要求しています。
一方、JIS Q 9100:2016では、ISO 9001に加えて、箇条8.1.1運用リスクマネジメント、8.2.2d)では、運用リスク(例えば、新技術、製造能力及び生産能力、短納期)、8.4.1では、“外部提供に関連するリスクを特定し、マネジメントしなければならない”等、随所にリスクに関する事項があります。

 本セミナーでは、“リスクに基づく考え方”は、もちろん、各要求事項の関連と対応について、重点指向*1での対応を推奨するセミナープログラムを組んでいます。

 本セミナーは、究極的には、企業様個別プロジェクト(案件)での出張セミナー実施への参考となるセミナーを意図しております。

  参考*1:QMSは、顧客満足を目指しますが、その中の「シスクベースの考え」は、品質管理、信頼性活動の
         共通の原則の一つである重点指向の活動です。

文責 門間

 この続き:10月6日は、「運用リスクマネジメント」について、紹介します。
 次  回:9月29日は、ヒューマンエラー防止セミナー(ご案内:第1回)を掲載します。

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2017.08.10JIS Q 9100:2016 「8.1.4 模倣品の防止」について

 JIS Q 9100:2016で追加となった「模倣品の防止」について、ご紹介します。

 「模倣品」とは、“正規製造業者又は承認された製造業者の純正品として、故意に偽られた無許可の複製品、偽物、代用品、改造部品(材料、部品、コンポーネント)”とJIS Q 9000で定義されています。

「模倣品」は、未認証部品(Unapproved Parts)で、要求された品質保証や検査・試験を実施しないまま出荷されるため、「8.1.3 製品安全」に直結することとなり、それぞれの段階(設計検討、購買要求、受入検証、製造、不適合品管理)で防止のためのプロセスの設定を要求しています。

また、「旧式化」、「枯渇品」も「模倣品」として含めて対応を求めていますので、設計・開発を行う企業様においては、設計段階でどのように対処していくかを予め検討しておく必要があります。特に、電子部品においては必須項目となります。

IAQG(International Aerospace Quality Group)では、SCMH 3.5章「模倣品防止」で、組織の理解に役立てることを目的に内容を紹介していますし、
FAAにおいては「模倣品」を“権限や権利なく「認定部品」を模倣、似せるために製造、改造された部品”として「疑義品」を含め、SUP(Suspected Unapproved Parts)Programを設定してその検証や報告を要求しています。

少し逸れますが、PMA(Parts Manufacturer Approval)品は、FAAが承認した認定部品であり「模倣品」ではありませんが、OEM(Original Equipment Manufacturer)やTCH(Type Certificate Holder)が製造した部品ではないため、整備等でPMA品を使用する(組込む)場合は、ユーザーの判断によることになります。

引用:  IAQG SCMH (Supply Chain Management Handbook) Section 3.5 Counterfeit Parts Prevention Guidance

文責 古郡
2017.08.04JIS Q 9100:2016 "7.1.6 組織の知識について"

JIS Q 9100:2016の移行審査対応支援等において,多くの企業様が規格の要求事項で、その理解にお困りになっている事項についてご紹介します。
 今回は,ISO9001:2015の要求事項として追加になりました,「組織の知識」について記載します。

 規格では次に示す通りに要求されています。

7.1.6 組織の知識
 組織は,プロセスの運用に必要な知識,並びに製品及びサービスの適合を達成するために必要な知識を明確にしなければならない。
 この知識を維持し,必要な範囲で利用できる状態にしなければならない。
 変化するニーズ及び傾向に取り組む場合,組織は,現在の知識を考慮し,必要な追加の知識及び要求される更新情報を得る方法又はそれらにアクセスする方法を決定しなければならない。


 先ず,知識を理解する上でのポイントは,7.5文書化した情報で要求される文書と7.1.6 組織の知識の違いです。
文書は,個別の製品実現に必要な図面,作業指示書,作業手順書,検査手順書等です。一方,知識はこれらの文書を作成するのに必要な標準,要領書(マニュアル)等のノウハウです。この知識は,例えば新入社員等の教育に活用できるような資料と考えていただければ分かり易いです。

 次に大切なのは,現在ある知識を組織内で共有化し,如何に社内で活用できる状態にするかです。
そのためには,現在ある知識を明確化することですが,知識の対象基準をあまりにも厳格に考え過ぎると抽出されません。何でもよいから,先ずは知識と思われる資料をリストアップすることです。

その後に知識の対象とするか否かを検討されれば良いです。そして,抽出された知識は保管担当者等を含め明確にした一覧表等を作成することにより,必要時に誰でもアクセスすることが可能になります。

また,知識を活用した際に,不適切な箇所が発見された場合は修正し,情報が不足している場合は追加更新し,知識のブラッシュアップを図ることが大切です。

 知識の最大のポイントは,先ずは知識と思われる資料を明確化することから始まることを意識して取り組まれることを推奨します。

文責 松田
2017.03.10先行生産品質計画(APQP)と製造部品承認プロセス(PPAP)に関する要求事項

 IAQGで作成された9145規格制定版に基づき、JAQGではSJAC9145規格(航空宇宙 先行生産品質計画及び製造部品承認プロセスに関する要求事項)の制定原案(Draft)が作成され、パブリックコメントを募集中です。

 この要求事項は、JIS Q 9100:2016規格 箇条8.4.2「管理の方式及び程度」の一部として初めて要求されたものです。具体的には、下記の事項です。

注記2 検証活動には、次の事項を含み得る。
    − ・・・
    − 製造部品承認プロセスデータのレビュー
    − ・・・

 自動車業界の米国BIG3は、APQPについついて、ISO/16949:2009箇条7.1「製品実現の計画」の注記で要求されています。また、PPAP については、箇条7.3.6.3「製品承認プロセス」として、米国BIG3では、PPAPが義務的要求事項となっています。

 一方、航空エンジン業界のロールスロイス(RR)及びプラット・ホイットニー(P&WA)は、「サプライヤーQMS要求事項」でAPQP, PPAP, FMEA, SPC, MSA等を要求しております。
顧客が航空エンジン企業である場合、品質管理仕様書を精読して、対処することが大切です。
 SPC:統計的工程管理  MSA:測定システム分析

文責 門間
2017.03.03JISQ9100:2016解説書及びセミナーへのご質問と回答の事例

ご質問1:JIS Q 9100:2016箇条6.1の要求事項は、『契約に対するリスク』が一番の課題ではないか。
     ⇒審査において、この課題に取組まれていない場合、若しくは、不足と感じられた際、不適合として扱われ、
      是正要求されるのではないかについて疑問がわきました。

回 答:結論から言えば、
(1)箇条6.1は、“品質マネジメントシステム(QMS)の計画を策定するとき(箇条6.1.1)”、及び“QMSの
    変更を必要としたとき(箇条6.3)”の要求事項です。
(2)ご質問の『契約に対するリスク』等は、「運用リスク」あるいは「製品要求事項に関するリスク」に相当することで
    あり、箇条8.1.1「運用リスクマネジメント」で処理するのが適切です。


参考:(1)の根拠
箇条6.1.1で“決定したリスク及び機会”に対する取組みの計画については、6.1.2 b)取組みの方法、1)“その取組みのQMSプロセスへの統合及び実施(4.4参照)”として要求しています。
また、箇条6.3においても、4.4参照としています。箇条4.4のタイトルは、“QMS及びプロセス”です。

4.4参照の意味:“決定したリスク及び機会”への取組みの方法は、QMSの箇条5〜箇条8の中の該当する箇条でやってもよいことを示しています。“決定したリスク及び機会”の該当する箇条です(箇条4.4 f)参照)。回りくどいですね。

参考:(2)の根拠
航空宇宙防衛特有の要求事項である、箇条8.1.1「運用リスクマネジメント」注記1(下記)で、明確に述べています。
 注記1:6.1では、組織のQMSの計画を策定する場合のリスク及び機会に取り組むが、この箇条(8.1.1)は、製品及びサービスの提供に必要な運用プロセス(箇条8)に関連するリスクに限定し、適用する。

    

参考:(3)箇条8.1及び8.1.1について
箇条8.1及び8.1.1は、どのような条項かといえば、8.1.1〜8.7までの要求事項の一般的概要を述べているだけです。具体的な要求事項は8.1.1〜8.7の中で要求しているのです。
  例:・8.1.1運用リスクマネジメント・・・・設計に対する要求
     ・8.1.3製品安全・・・ハザードの評価(8.1.1参照)・・・設計に対する要求
     ・8.2.2 d)運用リスク(新技術、製造能力及び生産能力、短納期)設計・製造への要求
     ・8.4.1一般 組織は、外部提供者の選定及び使用と同様に、プロセス、製品及びサービスの外部提供に
      関するリスクを特定し、マネジメントしなければならない。

      ・・・購買部門への要求
     ・8.4.2管理の方式及び程度・・・組織の能力に悪影響を及ぼさないことを確実に・・・
        これは、リスクに基づく考え方での活動を要求している。
        c)1)にも同様な記述があります。
        8.4.2においては、随所に“特定されたリスク” “模倣品のリスク” “不適合のリスク” “材料を重大な
        運用リスク”等々が出てきます。
     ・8.5.1.3製造工程の検証・・・省略

再確認:
6.1は、あくまでも“QMSを計画するとき”及び“QMSの変更を必要としたとき”の「リスク及び機会」への取組みです。
その後の運用段階(製品実現:契約、設計、購買、製造、検査等)のリスクは、箇条8で取扱うのです。これは、航空宇宙防衛産業でのセクター規格としての取り扱いです。



ご質問2:セミナーの問題でのモデル解答に対する質問とそれへの回答です。
    顧客であるA社からH27年度に顧客で発見した納入後不適合20件をH28年度は半減するように要求が
    あった。又、社長の品質方針でも納入後不適合の削減が指示された。

    品質管理部は、A社向けの納入後の不適合件数を、H28年度としては先ず14件以下(30%削減以上)の
    品質目標を設定し、毎年段階的に削減するように実行計画書を作成したことが、内部監査で判明した。

    内部監査員は、品質目標が顧客の要求を満足していないので、H28年度の納入後不適合件数を10件
    以下にするように、品質管理部門の合意の上、「改善要請」とした。

モデル解答:内部監査としての判断は、「改善要請」でよい。

モデル解答に対する質問:「改善」とは、“再発防止”でないので、おかしいのではないかというものです。

規格でいう改善:
箇条10.改善 10.1「一般」の注記で次のように解説しています。
“改善には、例えば、修正、是正処置、継続的改善、現状を打破する変更、革新及び組織再編が含まれる。”

参考:
“改善”、“継続的改善”の意味は、JIS Q 9000:2015「QMS−基本及び用語」の中で明示されています。しかし、“再発防止”の定義はありません。
“再発防止”は、“不適合の根本原因を究明し、対策することにより問題を再発させない こと”です。“是正処置”そのものであり、“改善”の一部なのです。

以上
文責 門間
2017.02.10JISQ9100:2016工程設計は、8.3「製品の設計・開発」で対応するのか

本件については、1月6日のメルマガで、私の考え方を説明しました。さらに、少し調べてみましたので、参考に記載しました。

1月6日メールマガジン>>>>

Rolls-Royceのサプライヤへのマネジメントシステム要求事項であるSABRe(Supplier Management System Requirements)のChapter Bによれば、次のような条項があります。

  • B2 Product design and development:製品の設計・開発
  • B3 Production design and development:製造の設計・開発 → 工程設計


AS 9100DとJIS Q 9100:2016では、

  • 8.3 Design and Development of Product and Services
  • 8.3製品及びサービスの設計・開発

 その他に次のような適切な説明を、ある方から教授いただきました。

 「設計・開発は、製品の技術的要求事項をアウトプットするものであり、その技術的要求事項を製造の手順に展開するのがプランニング(いわゆる工程設計)であり、プランニングからは、技術的要求事項は生まれない。」
 非常に分かり易い説明でした。


 ISO 9001:2015の工程設計が、箇条8.3に該当するといっているのは、一般論であって、航空宇宙防衛産業界のセクター規格のAS/EN/JIS Q 9100:2016では、“プランニング(工程設計)は、箇条8.3に該当しない”と理解するのが適切と思います。

文責 門間
2017.02.03「JIS Q 9100:2016規格解説セミナー」に対する参加者皆様のアンケート結果

 頭書のセミナーを、1月に東京、神戸、愛知(春日井)において、70名の受講者様の参加を得て開催しました。
受講者の代表的なご意見、ご感想を掲載いたします。自由記述方式でのアンケート結果です。


  • テキストが、要点を簡明化(図表と併用)されており、非常にわかりやすかった。

  • 極力、事例を紹介しながら、かつポイントを強調していただけたためよく理解できた。 テキストも分かりやすく解読書(解説書)とのつながりも記されており、親切だと思いました。

  • タイトルがない箇条について( )内タイトル(TFMで仮のタイトルを付けたこと)は、品質マニュアルを作成に当たり参考となる。

  • 現在JISQ9100を取得していないが、テキスト、講義ともにわかりやすかった。一方で、航空宇宙産業向け規格であるため、形の有る部品に対する規格になっていると思われ、材料メーカーとしては、どう対応するかと思われる部分も少しありました。

  • 今回受講して感じたことは、捉え方によっては、様々な解釈の仕方があると実感しました(JISQ9100とISO9001では視点が変わる等)。講師の方の説明も分かり易く、自社のQMSと照合してみると不足している点や、規格通りに運用できている点を再認識できて納得できました。

  • 説明が明確で分かり易かった。テキストの内容も充実しており、研修後の復習にも役立つ内容だと思います。時間を延長されて、もう少し詳しくご説明されてもよかったのではと思いました。

  • 当社で作成したJIS Q 9100:2016解釈書と比べながら聴講しました。解釈がずれている所、解釈ができなかった所がよく理解できました。当社の他の内部監査員にも受講を勧めたいと思います。

  • 審査を何回も受けていると審査員が異なると指摘内容もまちまちとなっており、何が正解かが分からなくなってきております。今回NCプログラムについて質問させていただきましたが、このような場でデスカッションさせて頂くと第三者的意見をもらうことができて非常に助かります。  指摘事項で困っているメーカーはもっといると思うので意見交換できる場がもっと増えるといいと感じました。

次回は、「JIS Q 9100:2016移行審査対応セミナー」に対するアンケート結果を掲載します。

以上

2017.01.16「リスク及び機会への取組み」について

JIS Q 9100移行審査対応セミナーでの質問と回答です

質問:規格6.1で「リスク及び機会への取組み」は、事業部門ごとに行う必要があるのでしょうか。
     当社は、事業部門が多いので、組織の外部・内部の課題を抽出して、「リスク及び機会への取組み」を決める
     必要があり、大変です。

回答:もともと、事業部門とは、一般には製品群(種類)が異なり、その事業ごとに外部の市場環境、顧客の
     ニーズの期待も異なります。そして、それに関して内部の課題も異なってきます。
     当然、事業部ごとに実施する必要がありますね。

質問:なかなか多くの事業部門を動かすのは、大変なのです。何か良い方法はないでしょうか。

回答:規格5.1リーダーシップ及びコミットメント 5.1.1一般 “e) 組織の事業プロセスへのQMS要求事項の
     統合を確実にする”とあります。事業プロセスとは、事業を展開する活動ということですが、QMSの活動が
     事業活動と整合させて確実に運用するということです。
追加回答:このような場合、複数の事業部門を取りまとめている経営者(トップマネジメント、あるいは社長)の
     指示を仰ぐことです。QMS事務局の苦労がわかります。

文責 門間
2017.01.16外部から提供されるプロセスを組織のQMSの管理下にとどめるとは!

JIS Q 9100規格解説セミナーでの質問です 

質問:規格8.4.2の購買に関連する“管理の方式及び程度”、“a) 外部から提供されるプロセスを組織のQMSの
     管理下にとどめる”とは、どのような意味ですか。

回答回答:プロセスとは、設計、製造、検査などの活動であり、それを外部委託したとしても、御社のQMSに含めて
     外部委託先を管理する必要があるということです。ただし、御社の組織の一部としてマネジメント(指示)
     してはならないということです。

質問:なかなかわかりません。

回答:委託した設計、製造、検査プロセス(活動)が適切か否か(生産、品質等)は、最終的に発注元に
     あるわけですので、常に委託先の実施状況を監視し、必要な支援等を行っていくことです。ただし、委託先の
     命令系統に入って活動するということではありません。御社と委託先と間で契約の一部である
     「品質管理仕様書」、「協力先取引仕様書」等を交換して推進する必要があります。

参考:JIS Q 9000(基本及び用語)の“外部委託する”の定義の注記1に“外部委託した機能又はプロセス
     はマネジメントシステムの適用範囲内であるが、外部の組織はマネジメントシステムの適用範囲外にある”が
     その意味です。簡便に言えば、命令系統にあるのではないということです。

文責 門間
2017.01.6JIS Q 9100:2016移行審査対応セミナーでのご質問について

質問:「工程設計」を「製品の開発・設計」として対応すべきか否か

 新年あけましておめでとうございます。皆様にとりまして良き新年を迎えられたことと存じます。
旧年にも増してご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。


 さて,昨年12月19,20,21日に東京,愛知,神戸にて開催しました頭書のセミナーに,多数のJIS Q 9100品質マネジメントシステムに携わる管理責任者,事務局の方々のご参加を得て,盛況に実施することができました。誠にありがとうございました。

東京,愛知,神戸におけるセミナーにて,共通したご質問がありましたので紹介とともにTFMとしての見解を述べます。
共通の質問は,“従来,「工程設計」として取り組んでいた事項を,2016年版では,箇条8.3「製品及びサービスの設計・開発」として対応しなければならないのか”との質問です。

 この質問が発せられた背景には,ISO 9000:2015定義3.4.8「設計・開発」に,“対象に対する要求事項を,その対象に対するより詳細な要求事項に変換する一連のプロセス”とされたことに影響されたと思われます。
また,認証機関の間でも工程設計を“設計・開発”として審査するという機関もあり,それに対する質問と推察されます。
【蛇足ですが,JAQG主催の2016年版の説明会(2016年10月19日東京)における質疑応答で,審査機関の間でも解釈に差が浮き彫りになりました】。

 私は,航空宇宙防衛産業での解釈は,工程設計は,“製品の設計・開発には当たらない”と即座に回答しました。
もし,工程設計が,“設計・開発”であるならば,詳細設計のアウトプットである製造図面に基づく,作業手順書,作業指示書,検査手順書,QC工程表,治具設計・製造あるいは工作図面(生産工程毎に加工する範囲を指示した図面)の作成・準備作業は,“すべて設計・開発”と捉えることになります。
航空宇宙防衛産業では,このような工程設計が規格8.3の「製品及びサービスの設計・開発」に該当すると解釈も,想定もしていないと思います。

規格8.3のAS/EN/JIS Q 9100特有の追加要求事項を作業手順書,作業指示書,検査手順書,QC工程表,治具設計・製造あるいは工作図面等の中で単独にどのように処理するのか,するとしたら過大要求になります。
これらの工程設計プロセスは,主として箇条8.1,8.5,8.6の中でやればよいのです。
誤解しないで欲しいのですが,工程設計を行うのは,“設計・開発段階”から行うことは当然であるが,“製品の設計・開発”として行うのではないということです。大分くどい話になりました。

 一方,“治具を製品として顧客へ納入する場合ではどうか”という質問もありました。私の答えは,前者と同様で“製品の設計・開発には当たらない”との回答です。
もし,この場合は,“製品の設計・開発”に当たるならば,航空宇宙防衛のプライム自身が,設計・製造する治具へのQMS要求と供給者が製造する治具へのQMS要求事項に差があることになり,また,供給者に過大な要求事項となります。

 しかし,治具専門の組織にとって,顧客の製造図面をもとに治具の設計・製造を実施するのが対象範囲であれば,「設計・開発」があっても差支えがありません。ただし,この対象範囲を,JIS Q 9100の要求事項に対応して実施するか,ISO 9001ベースでやるかは,いずれも組織の判断です。

 そこで,「品質マネジメントシステム規格国内委員会 監修」の「ISO 9001:2015新旧規格の解説」(中條武志・須田晋介 著)を確認しました。

P193〜195(3.1)“8.3全体と8.3.1設立の背景”の中で,“2015年度版の設計・開発に関わる要求事項を規定した8.3は,箇条の構成を含め,その様相は大きく変わった。・・・最終的には,設計・開発は残り,8.3の要求事項も全体として2008年版より若干軽くなった程度で,ほぼ同等の内容となった”としている。・・・また,2015年度版の設計・開発に関わる要求事項は,“ISO 9000:2006の設計・開発の定義から意味や意図するところは変わっていないが,文面は変更されている)”と解説しています。

 さらに,箇条8.3の「製品の設計・開発」について,具体例で解説しています。
 住宅メーカの例:前略・・・,資格をもつ建築士が,法規制を遵守した詳細な図面を描くことで,家を建てるためにどのような資材が必要で,どのくらいの期間がどのくらいの工数でかかるのかなどが決まり,はじめて家を建てるという作業に取り掛かることができる”。(門間見解:この場合,詳細図面を描くことが設計・開発作業です)。

 医療機関の例:前略・・・“医療サービスは,・・・手術を伴う医療サービスを提供する場合,適用可能な技術,資源の活用などを踏まえて,適切な診療計画を立てることになる。この行為がこの箇条でいう設計・開発である。”
(門間見解:診療計画書が設計・開発です。手術することはサービスであり,製造業でいう製品です。わかりやすいですね)。

 また,“以下は,2008年版発行時に出版された本書の旧版(p181)からの引用ということである”として,次のように解説している。
“設計・開発の対象はである“製品及びサービス”について理解する上で参考になるため,以下掲載する,“何が設計か”は,何が製品かによって変わる。
例えば,サプライチェーン上流組織である親企業が市場に提供する最終製品を設計する場合は,当然なことながら設計とはその最終製品の設計である。
親企業からの最終製品の設計図が供給され,その製品のユニットのアセンブル(組立て)を専業とする組織の場合,設計とは,提供する“部組み品”(サブユイット)の組立て方の設計である)としています。
(この場合,航空宇宙防衛産業でいう工程設計です)。

 このように,産業界によって“設計・開発”に対するいろいろな解釈の違いがあるということです。そのことは,特殊工程についてもいえることです。
2009年版7.5.2「製造及びサービス提供に関するプロセスの妥当性確認」については,航空宇宙防衛産業では,この箇条を特殊工程と捉えてきました。特殊工程がなければ,適用除外としてきました。
一方,自動者業界のTS16949では,特殊工程に限定せず,適用除外はできなかったのです。

 さらに,興味深い事項があります。ISO 9000:2015定義3.4.8「設計・開発」に,“対象に対する要求事項を,その対象に対するより詳細な要求事項に変換する一連のプロセス”の後に,

注記1では,“設計・開発へのインプットとなる要求事項は,調査・研究の結果であることが多く,また,設計開発からのアウトプットとなる要求事項よりも広範囲で,一般的な意味で表現されることがある。要求事項は,通常,特性を用いて定義される。プロジェクトには,複数の設計・開発段階が存在する”。

文責 門間
2016.02.19利害関係者のニーズ及び期待の理解 ISO9001:2015改正の要点

 ビジネスにおいては、利害関係者のニーズ及び期待を理解して業務を実行することは、何よりも重要なことです。
では、利害関係者とは具体的に誰を指すのか明確にしてそのニーズと期待に応えなければなりません。

 規格4.2では、“顧客要求事項及び提供される法令・規制要求事項を満たした製品及びサービスを一貫して提供する組織の能力に影響又は潜在的影響を与えるため、組織は、次のことを明確にしなければならないと規定しています。

a)品質マネジメントシステムに密接に関連する利害関係者
b)品質マネジメントシステムに密接に関連するそれらの利害関係者の要求事項


 利害関係者とは、英語のStakeholdersを訳したこととされていますが、規格では利害関係者とは、interested partiesの訳です。同意義語と理解して掲載します。

 ISO用語辞典によれば、利害関係者とは,“組織の環境パフォーマンスに関心をもつか又はその影響を受ける個人、団体、投資家・金融機関・取引先・消費者・地域住民などがこれにあたる。”とされています。
組織との関連図を画いてみると下記のようになります。 黄色で影をつけた組織等は、QMSに密接に関連する利害関係者です。

組織を取り巻く利害関係者

 規格では、“品質マネジメントシステムに密接に関連する利害関係者”とありますので、航空宇宙業界でいえば、顧客である製造メーカ、組織に材料、部品、装備品等を供給するサプライヤ(供給者)が主なところですが、従事者、航空業界を監督・支援する行政機関経済産業省、国土交通省(航空局)も該当します。

 利害関係者からの要求内容は、それぞれの立場で異なってきます。
顧客である消費者、使用者からは、ニーズと期待を含めた要求事項が、製品仕様書、注文書(納期、価格等)として、供給者からは価格、技術指導等の要請が、従事者からは待遇改善、行政機関からは法・規制に基づく経営の順法性を、地域社会からは雇用の増大から環境(交通を含む)への改善等、また株主、債権者からは、財務、配当等の経営そのものへの要求であります。

 航空宇宙業界の品質マネジメントシステムに密接に関連する利害関係者といえば、顧客(製造メーカー)、供給者、従事者及び行政機関です。
利害関係者から組織への要求事項は、主に製品及びサービスに対する要求事項であり、図表4.2-2になります。


図表4.2-2利害関係者からの要求事項

利害関係者 組織への要求事項 具体的要求文書
使用者
(エアラインから製造メーカーへの要求)
 ・快適さ  ・燃費  ・対環境性  
 ・保守   ・メンテナンス性
 ・納期   ・価格
参考:プライムメーカは市場のニーズと
    期待を具現化して使用者
    (エアライン)に提案
製造メーカ
(プライムメーカーを含む)
 ・品質  ・価格  ・納期
 ・JISQ9100,Nadcap認証
 ・コンプライアンス  ・機密保持
 ・契約書/注文書 
 ・製品仕様書/図面/スペック
 ・品質マネジメント仕様書等
供給者  ・製造性、検査性の改善提案
 ・価格  ・納期
 ・設計  ・工程変更提案書
従事者  ・製造性、検査性の改善提案  ・設計  ・工程変更提案書
行政機関  ・順法(安全性を含む)  ・航空法  ・航空機製造事業法
 ・電波法 等

 利害関係者からの要求事項に関する情報の監視、レビューに関しては、品質、納期、価格等を主要なこととして、自分の立場ではなく利害関係者の立場、受けとめ方に基づいて対応し、耳を傾けることにつきます。

文責 門間
2016.01.20JIS Q 9100:2016 改正にかかる動向について

●JIS Q 9100:2016版への改訂情報
●ISO 9001:2015の主な改正事項
●今後の当社のコンサルティング及びセミナーの情報
  などの最新情報を提供して参ります。

JIS Q 9100:2016改訂情報のご案内>>>>

2016.01.04新春あけましておめでとうございます。(2016年元旦)

 皆様においては明るく、楽しい新年を迎えられたことと存じます。

 旧年は、MRJ初飛行の明るいニュースがありました。また、大企業から中小企業まで、787,737等の増産に伴う工場、設備増設、そして人員増強という真の成長段階に入りました。それに伴い、航空機産業クラスターの活動が、さらに活発化しつつあります。

 ISO 9001が昨年、改正されました。これに合わせてIAQG 9100が本年4月に、JIS Q 9100が10月に改正される予定です。

 当社は、9100:2016改正の情況を逐次お知らせするとともに、9100のベースとなるISO 9001:2015要求事項の概要を、シリーズとして解説します。
第1回は、“リスクベースの考え”について、1月8日次回のメルマガで示します。


 本年も皆々様にとりまして、ご健康とご発展をお祈りいたしております。

株式会社ティ・エフ・マネジメント
代表取締役      
門間清秀
2015.12.11国交省航空局 航空機検査官、整備審査官との研修を通して(12月2日)

航空局航空機安全課様からの要請により、航空機製造におけるJIS Q 9100を中心とした品質管理、リスク管理、製造管理/工程管理、サプライヤ管理、形態管理の研修講師を務めました。

航空機安全課様から企業でのセミナーに使用しているテキストをベースに研修をしてほしい。またサプライヤ管理、形態管理を重点にとの要請もあり、次のようなプログラムで対話形式での研修を行いました。

  • 航空宇宙産業における品質マネジメントシステム規格 その本質
  • JISQ9100要求事項・・・・・・・・7章 「製品実現」を中心として
  • リスクマネジメントと設計FMEA・・・・・・CCV研究機の経験を通して
  • サプライヤ・コントロール・・・・・第二者監査セミナーを通して
  • 形態管理・・・・・・MU-300型式証明/767の形態管理の経験を通して

 重点のサプライヤ・コントロールについては、“購買製品の検証”にかかる“供給者に対する検証の委譲”のあり方について多くの質疑と討議がありました。

発注者側と受注者側(供給者)双方がこの“供給者に対する検証の委譲”の本質を理解し、誠意をもって実行しなければ、大きなもの問題を提起することになりかねないことを確認しあいました。
(単に発注者側が受入検査コストの低減を意図するのであれば、受注者側(供給者)に責任の負担をかけるだけで、メリットがなくなり形骸化した情況となる。その結果として、無検査のような事態が起こる。)


 形態管理(コンフィグレーション)については、航空機のライフサイクルでの“部品補給”からの形態確保への要求と設計・開発段階、その製造段階での“設計変更管理”と“製造トレーサビリティ”の確保という面があるのです。MRJに対する形態管理は、設計変更内容のどのレベルまで要求されるのか、FAAの対応は、などの討議が行われ、有意義な研修となりました。

文責 門間

2015.11.30ボンバルディア 開発負担重く 「ポストMRJ」の教訓に(11月24日)関連トピックスあり

 日本経済新聞が、この見出しで「ポストMRJ」の開発についてコメントを述べています。
カナダの航空機・鉄道車両メーカーのボンバルディアが不振に陥っている。それは新型航空機の開発負担が重くのしかかり、2015年9月末に日本の債務超過に相当する状況に陥った。このことは、初飛行を成功させた「MRJ」の今後の開発の展開への教訓になったというものです。(中略)

 窮地の原因は、新型機「Cシリーズ」開発に手間取ったためである。もともと90席以下の近距離の運航に適したリージョナル機に特化していたが、2008年に100〜150席の小型機で勝負を挑む決断をした。その切り札が「Cシリーズ」だったのです。

 小型機市場ではエアバスの「320」とボーイングの「737」型機の2大ベストセラー機が支配している。ボンバルディアは、2社と差異化するため、炭素繊維複合材など軽量素材を機体の50%以上に採用した。MRJも採用する燃費が良く騒音が少ない「ギア−ド・ターボファン」と呼ぶ新型エンジンを採用したのです。

 しかし、航空機開発で新型機を導入すると品質安定、型式証明の取得、部品サプライチェーンの構築など時間とリスクが高まります。(このことは787も同じような事態が起こりましたね) 実際、1号機が納入は予定より2年遅れの来年にずれ込み、累計で約50億ドルに上る「Cシリーズ」開発費用を圧迫したのです。(中略)

 少しでも多くの座席を用意して収益を上げる考えは、格安航空(LCC)だけでなく、フルサービスの航空会社に浸透しつつあり、小型機でも150〜200席クラスの需要が大半です。Cシリーズが対象とする100〜150席と実際の需要動向にズレが生じているというものです。(中略)

 今月11日、三菱航空機はMRJの初飛行を成功させました。MRJは70〜90席としているが、国産旅客機を支援する政府は早くも「ポストMRJ」として100席以上の旅客機の開発を見据えています。ボンバルディアの二の舞を避けるためにも綿密なマーケティングと資金計画が欠かせません。(日本経済新聞11月24日)

 ひるがえって、三菱重工業が1970年代後半から1980年代初期に開発した新型ビジネスジェット機MU-300を振り返ってみましょう。以下は、フリー百科辞典『ウィキペディア(Wikipedia)』 MU-300から引用している。

 1976年に開発着手し、1978年に初飛行しました。2年間の性能試験を経て、1979年には量産へ入るべくアメリカ連邦航空局(FAA)審査を受けるべく試作機2号機をアメリカに送り、8月には耐空審査(型式証明ではない)を合格しました。

 1979年マクドネル・ダグラスのDC-10が、シカゴとパリで相次いで墜落し、数百名が死亡しました。ダグラスの企業体質だけでなく、FAAの審査基準が甘かったのではないかと、連邦議会でも追及されました。そのため、FAAは審査基準を大幅に厳しくする雰囲気となって、航空各社は動揺していました。

 しかし、三菱を含めた小型機メーカーは、この基準はダグラスやボーイングなどの大型機に適用されるもので、軽飛行機は無関係だと考えていました。だが、FAAは全ての機体への審査基準を厳しくすると発表しました。MU-300は基準改正後の試験対象の第一号となり、航空業界から多大の注目を浴びました。FAAの基準変更により設計変更がいたるところで発生。その後の試験に膨大な時間を費やし、型式証明を取得できたのは1981年でした。

 アメリカの市場はFAA審査に手間取っている間に一変、政府の高金利策で不況に陥り、航空業界も経営悪化、ビジネス機の需要は皆無となったのです。またMU-300の信用低下、納期遅れによる契約のキャンセルが相次いだのです。高額である飛行機の受注は半ば投機的(ギャンブル的)な面が結構多いのです。(中略)

 不況にあえぐアメリカ政府は、対日収支の悪化と日本社会の急成長をやり玉に挙げ、不況の要因を日本製の自動車や家電製品、半導体に求め、国民に広がった対日感情悪化を利用しました。 三菱もアメリカの航空部品を企業から購入できなくなったり、価格を異常に吊り上げられる被害にあっていました。(アメリカで使用する航空機は、アメリカ製の部品が50%以上を占めなければならない規則、いわゆる「バイアメリカン法」がある。(後略)フリー百科辞典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

 日本経済新聞のコメントは、もっともなことです。そのことは、MU-300プロジェクトで実証されています。
@世界、特にアメリカの景気と需要動向、
Aそれに伴うアメリカ政府(FAAを含む)の対応です。

 また、大前研一は、11月20日メルマガ「大前研一ニュースの視点」で“MRJの初飛行を喜んでいる場合ではない”と次のように解説しています。“FAAの厳しい審査が待っている。スムースに型式証明が取得できるか否かである”とMU-300に例えてコメントしていました。

 世界の経済、政治等の動きに敏感なのは民間航空機業界だけではありません。各業界に多かれ少なかれあります。そのためには1日にでも早いMRJの型式証明の取得を期待している日々です。
 文責 門間 三菱重工 名航の一OBとして


追伸:JISQ9100:20115が11月20日に発行されました。 今回大幅に改正された点は、「リスクベースの考え」です。そのためには、外部環境、内部環境、特に外部環境を理解する必要があります。上記の話題にも共通することです。ボンバルディアの苦境を「他山の石」にして戦略を練って、経営を推進しましょう。(門間)

2015.11.13MRJ初飛行 国産の翼復活 視界開けるか(11月11日)

 MRJの試験機の初飛行無事終え、心からお祝い申し上げます。おめでとうございます。門間

 国産旅客機の飛行は1962年YS-11以来、半世紀ぶりです。2017年の初号機納入に向けて開発の大きな山場を迎えました。次は日本経済をけん引するビジネスとして離陸できるかが焦点となります。(中略)

 MRJの初飛行成功によって、日本の航空機産業の発展に期待が高まります。しかしMRJの部品の国内生産比率は3割ほどです。現在、日本の航空機生産市場は年1兆7千億円程度です。これを押し上げていくには裾野の広い部品産業の育成が欠かせません。

 温度や気圧の激しい変化を受ける航空機部品は特殊技術が必要な分、付加価値は高いです。
一方、品質要求は厳しく開発に時間がかかります。投資回収期間も10~20年以上と長い。「(航空機特有の)品質保証にたけた人材育成や資金負担の軽減策」(森本三菱航空機社長)などが急務です。

 国は早くも「ポストMRJ」の開発を見据えています。今後、需要が大きく伸びるのはMRJより機体が大きい100席以上の旅客機です。しかしそこはボーイングと欧州エアバスの牙城があります。

 特にボーイングと日本メーカーは長年の取引があり「競争を挑むわけにはいかない」(航空機部品メーカー)。
日本勢は欧米2社との関係を維持するうえでも、利害のぶつからないMRJに勢力を注ぎながら次のステップを探ることになります。(日本経済新聞 11月12日)

2015.11.13航空宇宙産業シンポジウム in 福島・・・11月6日に参加して

 頭書のシンポジウムが福島県郡山にて開催されました。
福島県の担当部署の方からご案内があり、私自身、福島県福島市出身ですので何かお手伝いすることはないか、意気込みはどうなのか等を考えつつ出かけました。ホテル会場は、300人満員の盛況でした。

 内堀福島県知事の挨拶のあと、IHI満岡 航空宇宙事業本部長より「相馬事業所における事業と展望」、飯田 経済産業省 航空機武器宇宙産業課長より「我が国航空宇宙産業の現状と課題」について基調講演がありました。

 両講師の「新規参入へのヒント」について、貴重な示唆がありました。このことは、2009年頃のリーマンショック時でもおはなしされてきたことですが、航空機発展期に入ってきた現在の時期との話では、航空宇宙産業に参入を目指される企業経営者にとって、とても説得力のある現実的で重要なことと思っていますので、両講師のプレゼンを引用してお伝えさせていただきます。

◎「航空エンジン製造における新規参入へのヒント」(IHI満岡取締役 常務執行役員)
 @ IHIの機械故障時、一時的な負荷消化対策、セカンドソース対応等の引き合いはチャンス
 A 開発エンジン用部品、試作の部品や加工用治具作りからトライする特に要素開発段階の部品製造が狙い目
 B 量産エンジン用部品では、工程外注から参入する。特定の機械工程のみを担当する
 C 皆さんのお持ちの、光る独自技術を活用する

◎「航空機産業への新規参入:メリットとハードル」(経済産業省 飯田課長)
■参入のメリット
 ・市場の成長が期待できる分野(今後20年間で旅客機数は倍増(19,877機→37,147機))
 ・長期にわたる受注の確保が可能(機体のモデルチェンジサイクルは20~30年間)
 ・高い技術力を得られることにより、他産業からも受注の可能性

■参入のハードル
 1. 少ない参入機会
    頻繁に機会がない、新機種開発やモデルチェンジのタイミングに合わせた提案活動が必要
 2.品質管理と認証取得
    JISQ9100,Nadcap、メーカー認証等の認定取得などの品質マネジメントシステムの強化
 3. 高度な技術力・過大な初期投資・長期に亘る製品供給
    製品の加工等に高度な技術力が必要
    資金調達力と10年以上の長期に亘る投資回収負担
    長期で安定して製品供給できる能力と製品供給責任
 4. コスト競争力の確保
    コスト低減理論の導入(自動化等)、将来の一貫生産への対応


 経営者の方々に、“じっくり腰を据えて、戦略的に検討して参入して欲しい”とのメッセージと受けました。

福島県はじめ東北各県の皆様は、大震災からの復興へのインフラ再構築とともに、さらに航空宇宙産業への参入にも目を向けて、いただければと思った次第です。

文責 門間
2015.11.09旭化成建材データ偽装、VW排ガス不正と第2者監査時のポイント

 いまTV, 新聞等のメディアを沸かしているのは、上記の2件でしょうか。
一度このような不正、偽装を行うとやめられなくなるのです。それはこれらの行為によって利益が増加します。
一方、それをやめると減益、又は赤字になってしまいます。悪いことであることを承知で、あとは慢性化するのです。

さて、ある企業様に「第2者監査のセミナー」を依頼され、10月初めに実施しました。 旭化成建材データ偽装が発覚する前です。

第2者監査の主たるポイントは、QMS監査を実施するのではなく、製品監査を主体にやるのが一般的で、また効果的です。製品監査と言っても製品に関する製造記録を確認し、 いざとなると製品を直接検査します。

第2者監査の際は、サプライヤは、事前に製造記録や製品を再確認しているのが普通です。したがって、それらが提示されたら“まず提示された記録”を“チョット”だけ確認します。
良いに決まっているので、“チョット”だけ見るのです。その後、製造記録を“file”ごと監査するのです。

例えば、材料証明書を確認するときは、直近の記録を確認するのだけではなく、1カ月前、2か月前、3カ月前に納入された材料証明書を並べてみるのです。

化学分析の実測値が規格に適合しているかなど見ません。なぜなら「規格値を満たしているに決まっているからです」、見るのは製造ロット、日付が違っているのに、実測値が1カ月前、2か月前、3カ月前の適合証明書の記録と同じか否かを 確認するのです。

不正、偽装の常とう手段は、分析試験等を実施せずに以前の製造ロットのデータを“コピー(使いまわ)して、そのデータを使用するからです。このことは、現役時代に経験したことです。横浜の件は、マンションが傾斜して発覚しましたが、北海道の件は、データを比較して判明しました。書類(記録)による監査のポイントです。

 参考:製品の外観検査方法
    ・全数を並べての検査です。
     これによって、そこに異常な外観が見つかれば、それを不適合と判定して処置します。
    ・問題は、全数が同じ外観で、全数不適合のケースがあります。

これが一つの落とし穴です。

文責 門間
2015.10.23JISQ9100:2016改正後の内部監査員養成セミナーについて

 受講者様より、“JIS Q 9100:2009での研修で修了証を取得していれば、2016版に改正後も有効ですか”とのお問合せがありました。同様な疑問をお持ちの受講者様がおられると思いますので、トピックスとして取上げました。

【回答】JIS Q 9100:2009の内部監査員の修了証は、改正後も有効です。以下はその理由です。

 2009版から2016版に改正に伴う、認証機関の審査に関する要求事項がSJAC9101E版からF版に改定されることが想定されています。
しかし、SJAC9101の改定はあくまでも認証機関の審査要求の改定であり、これに伴い内部監査の方法を変更する必要はないと判断しています。

従いまして、JIS Q 9100:2009での内部監査セミナーを修了していれば、改正後も有効です。
ただし、JIS Q 9100:2016版の改正に伴い、品質マネジメントシステム要求事項は変更されますので、規格内容を十分に理解しておく必要はあります。

文責 松田
2015.10.16W杯ラクビ― 最大の波乱を呼んだ日本代表に思う (10月16日)

 英国で行われているW杯ラクビ―日本代表の快挙に、日本人だけでなく世界中のラクビ―ファンはもちろん、ルールも知らない多くの人が歓喜したのではないでしょうか。私はその一人ですが!

 過去7回日本代表チームのW杯成績は1勝21負であったのですが、今回は3勝1敗とすごい成績ですよね。それも優勝候補の一角である世界ランク3位であった南アフリカに勝ったわけですから・・・。

 これは、名将と言われるエディ・ジョーンズヘッドコーチ(HC)の手腕とすれば、それまでなのですが、実際にプレーした選手とHCとの格闘の中で、選手に育まれた意識改革にあったといわれています。

 練習の厳しさのすごさは言語を絶するものがあり、また怒って非難して問い詰めることも日常的にあったと各方面のニュースで報じられています。そして、帰国後のインタビューを受けた選手間からも躊躇なく“練習から逃げ出したくなった”と話しています。しかし、その練習の厳しさについては、体格で劣る日本選手に勝機を見つけるべく方策であったでしょう。(詳細は、省略)

 そのような中でもエディHCは、いろいろな科学的な情報、データに基づく練習法と、メンタル強化にも力を注いだようです。選手個人にGPSをつけさせて運動量を計測し、練習、栄養補給に反映。1次リーグ戦で南アフリカと決まった後に、第1戦の南アフリカ戦の主任審判員を日本に招聘し、練習試合等を通して主審の“特徴”等を確認。
各選手のメンタリティを強化するためにメンタルトレーナーを採用、また元格闘レスラーにタックルの指導を依頼するという具合です。

 五郎丸選手が、あるインタビューで“集団競技であるラクビ―は、会社などの組織運営に通ずるところがありますね”との問いに、“ラクビ―は自己犠牲の精神をもって取り組むスポーツ。仲間が危ないと思ったらサポートに駆けつける。仲間に助けられた人は、今度は(以前に)サポートしてくれた人を助ける。そういったところは会社においても生きてくると思う”といって締めくくっています。

 これらの内容は、新聞、インターネットからつなぎ合わせたものです。感激した門間より。

注記:経営者、上級管理者がエディHCの振る舞いは、通常の会社組織ではやらない方がよいですよ。パワハラと訴えられる恐れがありますから。

文責 門間
2015.10.13JAQG主催による9100規格調整ドラフト説明会に参加して(10月5日)

 頭書の説明会が名古屋ミットランドホールにて開催されました。ISO 9001の改正がなされ、規格も9月21日に発行されたとあって、説明会には航空宇宙関係者の多くの方が参加されました。

 9100の改正ポイントについて、ISO 9001の改正のポイントと比較しつつ説明され、有意義な説明会でした。

 「品質マニュアル」の制定、「管理責任者」の設置が、ISO9001では要求事項から削除されたのに対して、航空宇宙防衛の9100では、それらが注記として記載される見通しであり、 リーズナブルなことと理解しました。

 一方、日本でSJAC9068として制定された「強固なQMS構築のためのJISQ9100の補足事項」に関連し、コンプライアンス、製品安全が9100に反映するか否か議論されているようですが、何らかの形で残されるようです。

 規格の発行については、

IAQG9100は2016年4月に、
JISQ9100:2016は、2016年10月に予定されていることが力強く、発言されました。

文責 門間
2015.09.11Nadcapセミナー「Contract Review」のご案内(11月16日~17日):不適合事例2

航空宇宙企業様向けの「コントラクト・レビュー」のセミナーを、PRIとTFMとの共催で愛知県春日井市にて開催します。是非、ご参加をご検討ください。
航空宇宙サプライヤ向けコントラクトレビュー 【11月16日〜17日 (1.5日)】 お申込み>>>


 今回も「Contract Review」の目的である「契約内容の確認」を怠っていたために発生した、重大不適合の事例を紹介します。事例2です。

事例2:顧客の品質管理仕様書の存在も確認しなかったA社の事例
国内外エアライン及びプライムメーカに製品を供給しているA社の事例です。

 B社経由で
“航空機業界での品質保証活動を教えてほしい。具体的には、FAI, 形態管理、変更管理等の進め方です。”
との要請がA社の経営層の方から依頼されました。6,7年前のことです。

 訪問して活動状況を聴取し、
“顧客のB社から「品質管理仕様書類」をもらっていませんか。その中に要求事項があるはずです。
それも詳しく書いてあります。”とお話しすると、

品質保証部(QA部)長は、
“そのような「品質管理仕様書」はもらっていません。困っているのでB社と掛け合ってください。”と要請されました。

 早速、A社QA部長とB社の駐在員と私の3者会談をし、状況を討議しました。

A社QA部長:御社の品質管理仕様書は、配布されていないが、その仕様書を満足するように、QA活動を行うことの
          要求事項は、契約関係としてどこに示されているのか”
B社の駐在員:当社(B社)からの注文書(PO: Purchase Order)をもってきて欲しい。
          それに明確にされている。

 PO持参後の会話

A社QA部長:このPOには、品質管理仕様書のことが記載されているとは思えない。
B社の駐在員:いや記載してある。POの左の箇所に、E1,E2,E3,E4,E5・・・のコード番号があるでしょう。
          このE4コードが品質管理仕様書の要求事項を意味している。御社の皆さんは、このPOの読み方を
          理解していない。必ず、記載されている。従って、御社の営業部門かどこかが保持しているはずだ。

 2週間後

A社QA部長:3年前に営業部が、商社経由で入手しているが、各部門に配布していないことが判明した。申し訳ない。
B社の駐在員:それはよかったが、保管していたでは済まされない。大きな契約違反である。
          B社として御社にB本社から要求することがある。


結末:
(1)契約書の他に、仕様書類、形態管理、ソフトウエア管理等の要求事項1,700頁があることが判明。
(2)B社は、A社にQA部長と、営業部長の更迭を要求。

 契約内容の存在、要求事項をも知らなかったことによる結末です。

航空宇宙サプライヤ向けコントラクトレビュー 【11月16日〜17日 (1.5日)】 お申込み>>>
文責 門間
2015.09.4Nadcapセミナー「Contract Review」のご案内(11月16日~17日):不適合事例

航空宇宙企業様向けの「コントラクト・レビュー」のセミナーを、PRIとTFMとの共催で愛知県春日井市にて開催します。是非、ご参加をご検討ください。
航空宇宙サプライヤ向けコントラクトレビュー 【11月16日〜17日 (1.5日)】 お申込み>>>


今回は、「Contract Review」セミナーの目的である「契約内容の確認」を怠っていたために発生した、重大な不適合について事例数件を紹介しましょう。今回は、事例1です。

事例1:溶接を専門とする中小企業のNadcap審査時の例
上記の社長より突然電話があり、“Nadcap審査でMajorな不適合が指摘され、どのように対処してよい解らないので至急来社して指導して欲しい”という依頼であった。2年前のことです。

 出かけて状況を確認すると、“海外B航空機メーカーからの溶接品に対するNadcap審査で、顧客溶接スペックには、「溶接棒はカナダ又は米国メーカーが製造した溶接棒を購入すること」と要求されているのに、アジアのC国メーカーから購入している(証明書から判明)。
これは、製品品質に直結する事項なのでMajorな不適合である”と審査員が判定した。対処を指導して欲しいというものでした。

 本メルマガで言いたいことは、どのような対処をしたかということではなく、上記のように顧客スペックには、「技術要求」だけでなく「管理要求」もあり、それを“知らなかった”、“確認していなかった”では済まされないという事例です。

 参考までに、どのように対処したかをお話ししましょう。

【対 処】
(1)不適合の封じ込め
  ・該当溶接棒の隔離
  ・該当溶接棒で製造されている作業のストップ
  ・在庫品の納入ストップ

(2)使用された溶接棒の化学成分分析
  ・分析は、第三者の専門機関に依頼すること(客観性を担保)

(3)顧客に事実を報告
  ・上記を踏まえて、顧客に報告

 なお、本件については、Nadcap審査員からPRI経由顧客に連絡され、どのように処置するか顧客判断に委ねられました。

 事例でお分かりになるように、この「顧客要求事項の確認(Contract Review)」を行うのは誰でしょうか。一般的には、工程設計部門の担当者(生産技術者)等です。営業の人が確認することは困難です。

参考:JIS Q 9100:2009 箇条7.4.1 購買プロセスの要求事項の中に、9100特有な要求事項として
“組織は、顧客指定の供給者からの製品を含め、供給者から購入したすべての製品の適合性に責任を負わなければならない”の箇条にも違反しています。

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文責 門間
2015.08.28Nadcapセミナー「Contract Review」のご案内

航空宇宙企業様向けの「コントラクト・レビュー」のセミナーを、PRIとTFMとの共催で愛知県春日井市にて開催します。是非、ご参加をご検討ください。
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Contract Review(コントラクト・レビュー)とは、「契約内容の確認」です。
特殊工程と関係ないように思えますが、「Contract Review」とは「契約内容の確認」、そしてNadcap審査ではよく質問される「顧客要求事項のフローダウン」そのものです。

(1)Contract Reviewの技術的側面
 Nadcap審査において、顧客要求事項、また顧客の顧客(例えば、ボーイング)が要求している図面、スペックの要求事項が、自社の作業指示書、作業手順書等に展開されることが必須です。しかし、展開がされていなければ、製品としても顧客要求事項を満足していないことになります。

(2)Contract Reviewの管理的側面
 Nadcap審査では、技術的側面は当然として管理面からの監査も実施されます。
例えば、取引先(サプライヤ)の変更等が顧客に報告していなければ、大きな問題になります。顧客との契約事項である品質保証要求事項の違反となります。技術的なフローダウンだけでなく、管理面のフローダウンをも確実に実施しなければなりません。

 上記に関して、問題となったなった代表的な事例を紹介し、どのように対処すべきかの示唆を与えるセミナーです。

 「Contract Review」だから、営業部門の関係者が参加すればよいというのではなく、企業でNadcapを取り纏める生産技術、品質保証の管理者の皆さんにとって有効なセミナーと思います。

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2015.04.30最近の日本航空機産業の動向:航空機素材QPL承認登録について

 最近、航空機に使用する素材QPL承認に対する問い合わせが当社に数件あり、新たな動きがあります。数年前までは部品製造メーカーからのJISQ9100認証取得、最近はNadcap認証取得でしたが、今年は素材に対するQPL承認(QPLとはQualified Part List)についてです。

 民間航空機産業のプライムで最終下流工程である、Boeing, Airbus, GE-A, RR、MHI/三菱航空機の製造から、Tier1組立企業、Tier2一貫加工をまとめる部品メーカー、Tier3の部品メーカーに至るサプライチェーンの製造スキームも変ってきています。

そうした中、最上流製造工程である素材メーカーが、航空機産業に参入又は拡大を模索している状況を垣間見ることができます。

 QPL承認を得ることは、部品製造のJISQ9100、Nadcap認証取得に比べてはるかに技術レベル、管理レベルが高いわけですが、QPL承認を得れば、全世界の航空宇宙メーカー(主として大企業)からの受注も視野に入るわけです。

 これを応援するべく、一昨年、経済産業省 航空機武器宇宙産業課に「航空機部品・素材産業室」が設立されました。国もサポートする体制が整っています。

QPL承認・登録を検討の企業様は、お気軽に当社にお問い合わせください。>>>

文責 門間
2015.04.21サプライチェーン・マネジメント・・・サプライヤコントロールの要諦2

先回は、契約後は“まずサプライヤに出かけることです。”とお話ししました。
源泉検査で出かけるのは、不適合品が海外から搬入されて国内工場で不適合を発見した段階での処置対応は、不適合の相互確認、再梱包、通関手続き、是正要求といった手続き的な雑用に追われ、非生産的な業務を少なくするためです。あくまでも“水際作戦”なのです。

品質問題が続発し、その是正処置の確認等でサプライヤに出かける際の注意を以下に述べます。
それは、基本的には、品質保証部門又は検査部門だけでは出かけず、発注権のある購買部門と一緒に出掛けることです。その理由は二点あります。

一点は、サプライヤとの契約当事者は購買部門です。購買部門は、品質保証部門では知りえない約束事をサプライヤとしている場合があります。

品質保証部門だけで出かけた場合、サプライヤに“実は、購買部門の○○さんとこのような約束、又は指示を受けております。”と言われる場合があります(前回の仲介者の商社の例と同じです)。
このような場合、品質保証部門は反論するすべがないのです。

二点目は、購買部門はお金(発注権)を握っているのです。サプライヤが、品質改善に全く意欲を見せない場合等には、購買部門から発注数量の減少、発注の取り消しをほのめかしてもらうことです。

あまり是正処置促進の本筋から入っていない話ですが、このようなやり方は実質的、合理的なやり方です。
自動車産業では、多くは2社、複数購買先をもっているケールがあります。

サプライヤの期毎の品質、納期評価で成績が良くないメーカは、複数社の中で入れ替えが現実的に行われています。非常に有効に活用していると思います。
是非、試してみてください。

文責 門間
2015.04.13サプライヤチェーン・マネジメント:契約後のサプライヤコントロールの要諦

 サプライヤに発注した製品の品質・納期の状況を確認、フォローするには契約後に頻繁に訪問することです。国内なら頻繁に行けますが、海外なら出張費がかさむということで、出かけないことが多いのです。

 本来、サプライヤコントロールの重要なポイントは、サプライヤの選定時、真に対象部品、装備品の発注企業としてふさわしいかを評価し、管理することです。
JIS Q 9100:2009規格では、“7.4.2f)供給者の選定及び使用において、リスクを明確にし、管理する”ことを要求しています。

 しかし、現実には、サプライヤの選定・評価においては、コストが重要視されることも確かで、それに流れるのも事実です。
したがって、選定・発注後は、サプライヤを購買部門、品質保証部門が数多く訪問し、状況を確認することです。サプライヤに出かけて、三現主義(現場、現物、現実)で確認することにより、効果が上がります。

 事例:海外サプライヤから購入していたものの不適合が多いので、是正処置要求を何度も発行していたが回答が全くないので、ついに直接サプライヤに出かけました。実は、海外への発注は商社を通して注文していたので、是正要求も商社を通して実施していたのです。
海外サプライヤに出かけて判明したのは、商社がサプライヤに是正要求書を転送していなかったのです。このようなことが現実にあるのです。(当然、商社と一緒に出掛けたので原因が究明できたのです)これは、ほんの一例です。

文責 門間
2015.03.31中小企業庁より、「がんばる中小企業・小規模事業者300社」に選ばれました

中小企業庁より、革新的な製品開発、創造的なサービスの提供等を通じて、地域経済の活性化や海外での積極的な販路展開に取り組む中小企業・小規模事業者の取組事例として当社が「がんばる中小企業・小規模事業者300社」に選ばれました。

中小企業庁のホームページ「「がんばる中小企業・小規模事業者300社」詳細はこちらをご覧ください >>>
2015.03.27サプライチェーン・マネジメント:米国で源泉検査の経験とMRJでの活動

 製品品質の保証を検査によって確保することはできません。しかし、サプライヤに発注した製品が、工場に搬入された後に不適合が検出されたのであれば、生産日程に大きな影響を及ぼします。その製品が、米国のような海外で生産しているとなれば、不適合の判定処置、通関手続き等においても大変な労力を要します。

ペトリオット・ミサイルシステムを米国レイセオン社と三菱重工業(MHI)が技術提携によりライセンス初期生産段階1980〜1990年代の話です。ミサイル及び地上装置の電子機器等に使用する電子部品は、レイセオン社経由でMHI及び日本の電子機器メーカ数社に供給されました。

 プロジェクト初期段階で輸入した電子部品の受入検査において、部品番号違い、識別違い、員数の過不足等々が発見されました。その不適合率は15%を超えることもあり、生産日程への影響は深刻になりました。これは電子部品の受入合格判断基準がレイセオン社と日本メーカで異なることから発生していた問題であったのです。

 MHIとレイセオン社の品質保証部間でQAミーティングを開催するとともにレイセオン社内に日本向け電子部品の出荷センターを働きかけました。その後、Japan Central Facility(JCF)が設置され、MHI及び日本各社から検査員最大7人をJCFに派遣・駐在し、レイセオン社の検査員との合格基準合わせを行いました。

 この活動を契機として、電子部品の日本での受入品質は好転しました。これらの受入基準の差は、日本と米国の品質に対する文化の差がその背景にあったのです。

 さて、MRJ(三菱リージョナルジェット)の多くの装備品は、米国、欧州のメーカ(サプライヤ)が設計・製造し、三菱航空機(株)に供給しております。

上記に記述したようなことを未然防止するため、三菱航空機では、MRJ装備品の品質確保のため米国及び欧州に拠点を置いて、源泉検査(サプライヤ内で三菱航空機の検査員が検査)を開始しております。これもサプライヤチェーン・マネジメントの大きな活動の一つです。

文責 門間
2015.03.25サプライチェーン・マネジメント:P&W社QA駐在員との出会い

 私は1968年に三菱重工業名古屋航空機製作所(名航)に入社しました。その4年後だったと記憶しています。P&W社からJT9Dエンジンのタービンブレイド1品目の下請生産を受注し、名航大幸工場(現在のナゴヤドームの跡地)で生産することになりました。ここまでは話にもならないことです。

  注:P&Wとは、Pratt & Whitneyの略称で、現在MRJのエンジンを開発製造している会社
      GE, RRに次ぐ世界3大航空エンジンメーカの一つ

 驚いたことに、この1品目の製造・品質を監視のためにP&WサプライヤQAスタッフが一人駐在したのです。

私はその駐在員のカウンターパーツに命令され、工程検査、出荷前検査への立会、 不適合品の特採(再審)申請処置の対応をしておりました。1970年代初めのころです。

 あるとき、“なぜたった1品目を発注するだけでQAスタッフ一人が駐在するのですか。”と聞きました。

彼曰く、“このようなことは米国P&Wでは当たり前である。P&W(米国東海岸Hartford)から遠く離れている米国内のサプライヤに対しも、ほぼすべてサプライヤにQAスタッフを駐在させているのだ。日本は単に、距離的に遠いだけだ。”とのことでした。

 その後に理解したのですが、もともとAS/EN/JISQ9100品質マネジメントシステムの要求事項は“性悪説”に基づいて設定されているわけですから、三菱重工に駐在して検査(源泉検査:Souse Inspection)を行い、P&W工場に不適合部品を入荷することを未然に防いでいるのだと!

 P&Wは、1972年以降、現在も三菱重工業名古屋誘導推進システム製作所(名誘)に駐在員を置いています。

次回は、“米国サプライヤコントロールの開始について”述べます。

文責 門間
2015.03.13サプライチェーンマネジメント:重要性とコントロールの難しさ(その1)

 このタイトルについては、新しいようで古くからある課題である。
民間航空機の装備品、部品等の調達先が、国内はもとより、海外に求めることが多々見られるようになってきました。
その典型的な例が、MRJを設計し、装備品を調達している三菱航空機です。
MRJで海外から調達する装備品、部品の割合は、全購入品の70%にも達するといわれています。

海外メーカの装備品等のQCD(品質、コスト、納期)が、MRJプロジェクトの成否を握っているといっても過言ではありません。商慣習が異なる海外企業との取引です。もっとも自動車、電子・電気機器産業では、現在当たり前であり、ボーイング、GE等は何十年も前から展開してきたわけです。

日本の航空機産業が遅れており、ようやく海外調達が本格化しただけの話ですね。

次回は、サプライチェーンマネジメントについて、品質確保という面から私の経験、そしてBoeing、GE等ビッグカンパニーの海外展開の戦略に述べてみたいと思います。

文責 門間
2015.01.09ISO 9001:2015(Draft)に見る大幅改正のポイント

 本年9月には、ISO 9001は正式に改正され本年末には、JIS Q 9001:2015版として発行される予定です。その中で大幅改正のポイントは以前の版に比べてテクニカルな面で改正が行われている点です。
代表的な事項は、“リスクベースの思考(Risk-based thinking)”です。

Draft条項“6品質マネジメントシステムに関する計画”の中で
“6.1リスク及び機会への取組み(Action to address risks and opportunities)”が要求されています。
非常に興味がある要求事項です。楽しんで取り組んでいきましょう。

文責 門間
2015.01.05新年に寄せて:航空元年(平成27年元旦)

新年あけましておめでとうございます。皆様、ご家族おそろいで楽しいお正月を迎えられたことと思います。

 今年はYS-11初フライト(1962年)以来、53年ぶりとなる国産旅客機MRJの初飛行が4月に、その後、型式証明に向けて飛行試験等の評価試験が本格化します。日本国民が切望していることです。開発・製造に携わる方々の苦労は並大抵でないと思いますが、それ以上にやりがいがあるのではないかと思います。

また、米国では、ホンダジェット(小型ビジネスジェット機)が本年に初納入を迎え、2017年には、年産100機の計画立て邁進しております。

私どもTFM社員一同、両ビジネスが成功することを心からお祈りしております。

 日本航空機産業各社は、787の増産に加え、ボーイング社次期大型旅客機777Xの本格的準備に入っており、工場新設、設備増強と忙しい年が当面続きます。幸せなことです。

 このような中、当社は、昨年に中小企業庁からJIS Q 9100規格解説、内部監査セミナーが「ものづくり小規模事業者等人材育成事業の指定講座」としていただき、中小企業の皆様の利便性が高まったかと思っております。今年は、内部監査レベルアップ、リスクマネジメントとFMEAについても、対象に加えられるように努力していく所存です。

 Nadcap関連セミナー(熱処理、化学処理)については、昨年から米国PRIと共同主催に漕ぎ着けました。これらのセミナーも中小企業庁から指定講座としていただきました。お陰様で、熱処理に関しましては、参加者様60%が、中小企業様の「ものづくり補助事業」を活用されました。本年は、非破壊検査、契約レビュー等のセミナーも加えるように、実施時期等をPRIと調整して、皆様の期待に応えるように努力してまいります。

 2015年は、ISO 9001:2015として改訂されます。それに合わせて、JIS Q 9001:2015も発行される予定です。JIS Q 9100も2016年には、改訂されることでしょう。これらの動きをスタディして、できるだけ前広に情報を皆様にお届けしたいと思っております。

 航空宇宙産業の品質関連セミナー、コンサルタント事業に特化してまいりました当社におきましては、航空宇宙産業の動きとお客様のご要望に応えた、新セミナーの開発、航空局事業場認定支援等について、注力してまいります。

 本年も、旧年にも益して、ご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

平成27年 元旦
門間清秀