航空宇宙産業において,設計・開発を行っている企業は意外と少ない。特に,民間航空機エンジンにおける設計作業は,プライム企業とリスクシェアリングパートナーによって実施されるのが一般的になっています。中小規模企業は,プライム等のアウトプットである図面等の提供(支給)を受けて,工程設計プロセスを経て,製造プロセスに引き渡たし,製品につなげるわけです。

製品の「質」は,まずは上流工程の「設計・開発プロセス」にあるわけですが,その次の段階の「工程設計プロセス」も大きく関連するプロセスです。もっとも,「設計・開発プロセス」の段階において,「設計・開発プロセス」のアウトプットの一つである「図面」があり,その「質」が製品の「質」に大きく影響します。あたり前の話です。

航空宇宙業界における「工程設計プロセス」は,JIS Q 9100:2016箇条8.5.1(8.5.1.1~8.5.1.3を含む)で取り扱うことが基本です。そして「工程設計プロセス」の「質」の「良し悪し」は,箇条8.5.1.3「製造工程の検証」で評価することとなります。

「工程設計プロセス」のアウトプットは,工作表(製造工程,切削条件,段取り等),NCプログラム,治具等になります。忘れてならないのは,規格箇条8.5.1.3「製造工程の検証」の中で,“これらの活動には,リスクアセスメント,生産能力(capacity)調査,製造能力(capability)調査及び管理計画が含まれ得る”とあります。皆さん,「工程設計プロセス」において,リスクアセスメント,生産能力調査,製造能力調査は実施していますか?

今回のテーマは,ISO 9001:2015及びJIS Q 9100:2016に流れる要求事項は,これら序文にある“リスクに基づく考え方”であり,“リスク及び機会”への取り組みです。