“機械加工の一部が,なぜNadcap認証の対象(Scope)になっているか”への回答です。

CMSP(Conventional Machining as a Special Process):機械加工は,Nadcap認証取得の対象となっています。そのほかに,MTL (Material Testing:材料試験) ,M&I(Measurement and Inspection)等があります。一般的な「特殊工程」の定義とは,異なっておりますね。したがって,Scopeと呼んでおり,Special Processと呼んでいないのです。

さて,CMSP:機械加工(穴あけ,ブローチ加工等)を,Nadcap Scopeへの提案したのは“誰なのか”,“なぜなのか”です。

(1)“誰なのか”:航空機エンジンプライムメーカ(サブスクライバー)が主体となり提案し,PRI Nadcap運営委員会で決定(推定)
(2)“なぜなのか”:重大なアクシデントに至る航空機事故(死亡事故)の発生
­  ・1989年米国ユナイテッド航空DC-10が飛行中,GE CF6-6エンジンファンディスクが金属疲労で破壊。
着陸後転倒・火災を起こし,111名死亡。
・1996年米国Delta Airlines MD-88エンジン運転中,P&W JT8D Compressor Diskがバーストし,
機内の搭乗者に破片が当たり2名死亡。
原因:Diskを製造中,下穴加工時に,工具の破損があった。最終寸法確保が可能であり,技術者間で協議して「合格」としていた。
下穴加工時の工具破損のダメージが,除去されていなかった。

最近の例:・2018.4.17重大なアクシデント:South West Airlines Boeing 737 飛行中にエンジンが破損し,機内の搭乗者1人が死亡。
・2018.5.24日本 熊本 重大なインシデント:日航機から部品落下 熊本 医院直撃窓割れる。
エンジン後方のタービン部など損傷。

上記からNadcapのScopeは,「製品安全」と深く関連して設定されているとも言えますね。
なお,機械加工がNadcapの対象となっているのは,“航空機エンジン”,“クリティカル部品”と理解していただければよいです。

技術的には,損傷許容設計(Damage Tolerance Design)“機械加工面等にはクラックがあり,運用過程で進行する。点検で発見するまではクラックがあっても残存強度があるように設計する”の分野です。高温・高圧・高回転での使用する製品で起こりやすいのです。
したがって,機械加工の工程設計はもちろん,製造工程の緻密な管理が求められている製品に対して,Nadcap認証Scope(対象)とされているのです。AC(Audit Criteria AC7126/1~/6)。

ガイドブックとお話がずれましたが,一般的な「特殊工程」,「Scope」については,ガイドブックにても明確にしております。
次回は,また別な話題を紹介いたします。

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