1.2 第二次世界大戦後の航空機の品質確保
やがて戦後に至り、第二戦争中の経験から、完全に品質保証された装備品を購入するためには従来の受入検査から一歩踏み出して、契約上、品質管理の実施を契約の相手方に要求するようになりました。「メーカにおいて品質が保証されていること」を評価する方式は、効果があるものと考えるようになりました。この場合、メーカに品質管理の実施について対価を支払うというものです。
その結果が、1950年に制定されたMIL Q 5923「航空機及び関連機器の品質管理(空軍)」です。その後、このスペックは、開発段階の装備品に対する要求事項と、設計内容が安定した装備品に対する要求事項を区分して、1953年に「品質管理一般要求事項 Quality Control Requirements General」(MIL Q 5923B)に改正され、さらに1956年にはMIL Q 5923Cとなり、より完全なスペックとなりました。
下記は、「MIL Q 5923C Quality Control Requirements General」の項目です。

3.要求事項
3.1 品質管理システム  → 現在の「QMSの各項目」
3.2 品質管理手順書   → 現在の「QMSの規定類」
3.3 検査測定及び試験装置  → 現在の「監視機器及び測定機器の管理」
3.4 下請負業者、ベンダーからの購入品→現在の「外部から提供されるプロセス及び製品管理」
3.5 購入部品、コンポーネント、組立品の検査 → 購買部品等の検査
3.6 材料(素材)の管理 → 検査及び管理
3.7 抜取検査      → 検査
3.8 検査手順書     → 検査手順書
3.9 工程検査      → 検査
3.10 検査記録      → 検査記録
3.11 特殊工程      → 特殊工程
3.12 図面及び変更管理  → 形態管理
3.13 技術試験、政府の承認を必要とする品目
3.14 再審        → 現在の「不適合なアウトプットの管理」
3.15 部品、コンポーネント、組立品への検査状態の表示 → 現在の「識別及びトレーサビリティ」
3.16 政府支給品     → 現在の「顧客又は外部提供者の所有物」

————- ここまで 2009年6月1日 当社ホームページにて掲載した内容 ———————-

全体的に検査に関する要求事項が多く、また、現在のJIS Q 9100要求事項と関連する事項もあります。1956年に改定されたMIL Q 5923Cの要求事項です。
その後、1957年にMIL Q 5923Cに代って、MIL Q 9858「品質プログラム要求事項 Quality Program Requirements」が制定、1963年に改定され、1996年に廃止されるまで航空機の品質保証要求事項の基本となっていました。

次回は、2.「世界における航空機の品質管理」 2.1「欧州での動き」 です。

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