本メルマガは、2009年6月15日に掲載した話題です。

世界経済の大幅な景気後退による企業の経営環境に厳しいものがあります。ISO 9001が発行されてから22年、ISO 9001の効果はないとの理由で認証を返上している企業が相次いでいるとの話が聞こえてきます。

さて、もともとISO 9001の根源は、第1回で述べましたように米軍航空機の品質確保するために、米軍が企業に要求した品質管理仕様書から発展してきました。したがって、マーケットを予測するとか、最新技術の開発に関する要求事項ではなく、米軍が定めた航空機の仕様に対する品質管理要求事項であったのです。このことはISO 9001:1994版で確認できます。

品質システム要求事項は、4.1「経営者の責任」、4.2「品質システム」から始まります。製品に関する事項は、4.3「契約内容の確認」が最初で、次は4.4「設計管理」です。つまり、ISO 9001は契約以降の品質マネジメントシステム(QMS)のことを規定しています。

一方、市場競争における勝負は、契約以前の市場(マーケット)の予測、開発技術力、商品価格など市場原理によって決まってしまうわけです。ISO 9001は。それら扱っているのではなく、製品品質を確保するためのQMS要求事項といっても過言ではないのです(多少言いすぎかもしれませんがご容赦ください)。「ISO 9001の限界」といっている理由です。

必要な発想
1.マーケティング、開発技術力向上に関するプロセスについて、規格要求事項として要求されなくとも、
  品質マネジメントシステムに取り組む

2.ISO 9001は市場品質を確保するためのツールであり、万能ではないと割り切る

————- ここまで 2009年6月15日 当社ホームページにて掲載した内容 ———————-

参考:JIS Q 9100:2016では、大分変ってきましたね。その例は、

  • 箇条1「組織及びその状況の理解」及び
  • 箇条2「利害関係者のニーズ及び期待」です。また、
  • 箇条2.3「製品及びサービスに関する要求事項のレビュー」です。特に、8.2.3.1では、

レビューにおいて、顧客要求事項が満たされない又は部分的にしか満たされないということを組織が判定する場合、組織は、相互に受入れ可能な要求事項を顧客と交渉しなければならい。”です。良い方向に向かっていますね。