2009年9月7日 JIS Q 9100の故郷を訪ねて 第14回のメルマガを再掲載したものです。

内部監査がスムースに実施できないという監査員の方々は多いのではないかと思います。特に、監査員教育は受講したが、認証機関の監査はもちろん顧客の監査を受審したこともないという人は多いのではないでしょうか。そこで、監査をスムースに進めるために監査計画への配慮と多少の監査テクニックを伝授しましょう。

(1)監査員の得意分野の部署又はプロセスから始める
ある企業様の例です。
A監査員は電子機器回路の設計者です。A監査員の監査対象部署は、製造部門の熱処理、表面処理が主要な業務です。A監査員にとって全くの未経験分野でした。監査対象部署の業務及び関連プロセス文書を読んで監査に臨みました。結果はさんざんたるもので監査にならず、ただ単に業務規定に記載されている用語の意味を質問して理解しているにすぎませんでした。不適合事項の検出はもちろん、気づき事項もありませんでした。

一方、B監査員は製造部門の機械加工プランニング技術者です。B監査員の監査対象部署は、技術部門の回路設計部署でした。こちらの場合も、全くといってよいほどに監査になりませんでした。原因は、不得意の分野から監査をスタートしたからです。

そこで、監査員が設計者であれば設計部門の他部署の監査を、監査員が製造スタッフであれば、製造部門の他部署の監査を、担当させるように監査計画を立て実行させました。結果はスムースに進むだけでなく、有意義な不適合の検出とアドバイスが出されました。
このように、監査員の得意分野から監査を始めさせます。監査員として自信をつけさせて、その後に不得意分野の部署を得意分野のメンバーとともに実施する。このように監査計画を立てて遂行するとよい監査になり、ベテラン監査員への育成になります。

(2)監査チェックシートを事前に送付しておく
通常、監査の実施前にチェックシートを作成します。
チェックシートは重点的に確認事項、例えば、確認する帳票、記録、現物あるいは文書を記載したものです。これを被監査部署に事前に送付しておくことです。
被監査部署がこのチェックシートによって、監査の準備をし、不十分なもの、不備事項についてあらかじめ改善、対策に取りかかってもらえばよし、疑問の箇所については監査の場にて討議し、よい方向に向かえば成功です。いかがでしょうか。

(2)監査は、討議と改善の場である
多くの不適合を指摘することが目的ではなく、見直しのきっかけになればよいのです。内部監査を通して、システムとしておかしいな、変だなと感じていることを討議する場であってよし、常日頃関心を持たずに見ていない事項を、品質マニュアル、細部規程に忠実に照らし、第三者的立場で監査を行い、被監査部署と討議することもよいと思います。
ここで気をつけて欲しいのは、重箱の隅の話をするのではなくQMSの仕組みと捉えて監査することです。実は、ここが難しいのですが・・・重要なことは、改善を図ることであって不適合を指摘することではないのです。

————- 上記は、2009年9月7日のメルマガの一部を修正して記載しております   ———————-