1.検査は、選別と改善へ活用
検査といえば、合格(GO)か不合格(NO GO)という選別と検査(測定)データを活用して改善に繋げる意味があります。改善につなげることを念頭に検査を実施してほしいものです。

2.選別の意味
社内不適合をお客様に流出することは、クレームの発生をきたし処理費用の増大だけでなく、お客様の満足を得られず、自社の評価を落としてしまいます。社内での不適合が後工程に流出した場合も、損失が発生します。したがって、その流失を防ぐために製造工程の中で、あるいは製品の完成段階で検査工程を設定して検査を行っているのが選別行為です。

(1)全数検査
部品や製品の何らかの特性を全数検査することです。ある特性が基準を外れた場合、致命的な不適合、故障に至る場合に全数検査を採用します。一般市場の場合、外観が重要視されますので全数検査を行っているようです。

航空宇宙部品の場合、製造ロットサイズが少なく致命的な部品でなくとも全数検査した方が不適合を見逃すリスクが少なく、統計手法を採用していないのです。

なお、自動車部品、半導体部品においては、不適合率、故障率がPPM(parts per million)のオーダーですので抜取検査では、不適合を抽出できず後工程に流す危険が高まりますから、全数検査を行うのが一般的です。

(2)抜取検査
製品を全数、全項目検査すれば後工程、お客様への流出は防げるかもしれませんが、付加価値を高めない検査行為に多くのエネルギー(資源)を投入することにも抵抗があります。何とか検査への資源投入を少なくして、流出不適合を減らす方法はないかと考えられたのが確率論からの抜取検査です。

抜取検査は、製造ロットの大きいものに採用され、ロットからあるサンプルを抜き取りそのサンプルに含まれる不適合の数(ゼロの場合もあれば、ゼロ以外の場合もあり)でロットを合格するかを判定します。

しかし、抜取検査の採用は、抜取検査で合格とされたロットには不適合が入っている可能性があるという危険(消費者危険)と、適合ロットを不適合ロットと判定する危険(生産者危険)を含んでいるということだけは理解しておく必要があります。

3.検査データから改善・予防活動へ・・・改善のための検査・測定
検査結果を製品の選別にだけ用いるのではなく、改善・予防活動へ活用することが大切です。例えば、検査データを基に不適合率を把握して改善の目標に活用することは分かりやすい活用事例です。不適合データ、検査・測定データを改善・予防に繋ぐ、まさに品質管理そのものです。
著者 門間

・書籍 Message for Aerospace Quality Engineers  2010年8月23日 第1版第1刷発行より