1.理路整然と

(3)重点指向で(続き)
重点指向についてはもう少し詳しく述べたいと思います。
QC7つ道具は一つであるパレート図は、不適合の現象、原因などの大きい順から対策を行っていくのに活用する方法で、重点指向の典型的手法です。

JIS Q 9100:2009年版でリスクマネジメントが、追加要求されました。別に目新しいことではありません。それはリスクマネジメントが、予防活動であるFMEAを基にしているからです。

FMEAは構成部品の故障モードごとの①発生頻度と②発生した場合の上位組立品、完成品への影響度をレベル化し、発生頻度のレベルと影響度のレベルを乗じた数値(優先度RPM: Risk Priority Number)が、ある一定の以上の数値の故障モードに軽減対策を打つ重点化の手法です。

ISO14001環境マネジメントシステムでの「環境影響側面」の中から「著しい環境側面」を選定する手法は、まさしく①発生頻度、②影響度、③検出難易度から特定しているFMEAの応用なのです。

実験計画法のF検定(水準間の差、すなわち群間変動で検定)は、製品の収率を高めるために、それに関連していると思われる要因に関して、現在の水準とさらによりよいと思われる水準で製造した場合を想定して行う手法で、多くの中から影響の大きさ(統計用語では「有意」という)の要因(JIS Q 9100:2016 8.1「運用の計画及び管理」b)注記)を選び出す手法です。
これも重点指向です。

重点指向を選び出す手法は、枚挙にいとまがありません。このように多くの手法があるということは、それだけ品質管理(品質保証)において重点指向で物事を考え対処する必要があるということです。

私は、常々「全部重要だということは、全部重要ではない」といっております。この意味がおわかりかと思います。
本メルマガは、2010年9月13日に掲載したものです。

著者 門間
・書籍 Message for Aerospace Quality Engineers  2010年9月13日 第1版第1刷発行より